夜中、23時も過ぎた真っ暗な時間に、辺りで鳥が鳴き出した。
キョキョキョ、キョキョキョ。
キョキョキョ、キョキョキョ。
ホトトギスだ。
初夏の到来を告げる時鳥。
目に青葉山ほととぎす初鰹(山口素堂)
カッコウと同じく、托卵する。
カッコウと聞くと、中学校の理科の先生の話を思い出す。
あの先生の話は面白かった。
カッコウは、恒温動物である鳥類のくせに、日中の体温変化が大きくて、卵を温めるのに向いていない。
そこで困っていたカッコウに、鳥の神様は仰った。
「お前、他の鳥の巣に卵を生んでしまえばどうだ?」
それを聞いたカッコウは托卵することにしたが、その際に卵に教え込んだ。
「お前の面倒を見ることは私には出来ないから、お前は生まれたら、こうするんだよ。」
そして、カッコウは他の鳥(モズとか)の巣に、その鳥の卵と似た卵を産む。
さて、このカッコウの卵は、他の鳥よりも早く孵化する。
孵化した雛が初めにするのは、なんと、お母さんの教えに従って、、、
宿主の卵や雛を背中に乗せ、巣の外に出してしまう。
こうすると、この巣の中の雛は自分一人になる。
その雛にせっせと仮の親鳥は餌を運ぶ。
大抵、カッコウの雛は仮の親鳥よりも大きくなる。
仮親は他の鳥に言われるんだろう。
「お宅のお子さん、大きいですね」
「ええ、おかげさまで。」
でも、育ててるのは自分の子供じゃないんだが。
こうして仮親の下ですくすくと育ち、やがて巣立つ。
そして、また、この巣立ったカッコウも托卵する。
卑怯とかズルいとか思えるかもしれないけれど、
托卵も子育てと同じく、生存戦略の一部なんだよね。
カッコウとオナガの闘い -托卵に見る進化-
https://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000000268_all.html
が詳しい。