遅まきながら(医師に)接種いただいた。3500円だった。
我が社は今年は最大3000円の補助が出る。
昨年度までは産業医が来社してせっせと接種していたので社員負担はゼロ。
今年は各自で好きな医者に行って接種せよとのこと。
まあ、3000円出れば、高いところ(4500円)でも1500円の自己負担で済む。
1500円でインフルエンザ休みを何日か防げて、有給休暇を無駄に消費せずに済むのなら、いーじゃないか。
会社からすれば、1人3000円の投資(社員数250人として総額75万円)で、インフルエンザで休まれて売上減になるのを防げるし、はたまた同僚に伝染されたりしたら目も当てられないので、コストにあう投資といえる。
一般財団法人阪大微生物病研究会(ビケン)の医療従事者用サイトから得た添付文書を参考にすると、
インフルエンザワクチン「ビケンHA」「フルービックHA」ともに、
インフルエンザウイルスのA型及びB型株をそれぞれ個別に発育鶏卵で培養し、(中略)濃縮精製後、(中略)分解・不活化したHA画分(※)(中略)である。
↑この記事はこの内容(つまり何を接種されたか)を知りたくて調べただけの話である。あとは蛇足。
※:HA=抗原性糖タンパク質を含んだ分画。HAはウイルスの亜型名にも用いられている(H1N1型のH1)。
# ここから先は高校生物の免疫系の話。以下の内容がわからない人は、予防接種不要論は口にしてはならぬ。
つまり、ものすごく平たく言っちゃうと、ウイルスの死体の皮の一部分を接種している。
DNAやRNAは接種していないから、ウイルスが増殖したりはしない。
ただ、これに出会ったヒトの血液中の免疫系は、ウイルスが入ってきたぞ!(抗原だ!)と言って、防御反応を起こし、緊急対応部隊(抗体)を生産する。結構これには時間がかかる。(抗原抗体反応)
だから、平たく言っちゃうと、すごく軽いインフルエンザに罹ったことになる。
伝染性はない。虚弱体質の人や、極度に抵抗性が落ちている人は、体調が悪くなるかもしれない。
緊急対応部隊はしばらくすると撤収(分解)となるけれど、作り方は免疫系が覚えている。
次にウイルスに出会った時、つまり実際にインフルエンザウイルスが体内に侵入した時は、すぐに緊急対応部隊が生産されて、迎え撃つ。
敵は増殖力も攻撃力も強いウイルスだ。
なにしろウイルスは、「死体」じゃなくて生きているし、RNA等の自己分裂増殖部隊もいるし、それらがカプセルで守られている。
けれど、一度戦ったことがある敵なので、敵がどんな奴かも知っているし、対応部隊の作り方も知っている。
(あくまでも死体の皮と戦ったんだけどね。それで十分なのだ。)
うまくいけば体内でウイルスが増殖する前にウイルスを叩ける(つまりインフルエンザ発症が抑えられる)し、抑えきれなかったとしても、接種していないよりは遥かに楽に抑え込むことができる。
予防接種しないでインフルエンザウイルスが体内に侵入した場合は、初対面の敵と免疫系が戦うことになる。
敵がどんなものかわからないので調べているうちに、敵が増殖する。
対応部隊の作り方もわからないので時間がかかるうちに、敵が増殖する。
やっと緊急対応部隊が出来て迎撃を始める時には、敵は物凄い数になっている。
おまけにこっちの体力は高熱でぐったりだ。迎撃能力も低くなる。
自分がしんどい上に、この間に、家族や他人にうつす可能性も高くなる。
最悪だ。あなたは社会の迷惑になる。
# 以上が高校生物の免疫系の話。内容がわからなかった人は、あなた馬鹿ですから、予防接種不要論とか私は薬は嫌いですとかは口にしてはならぬ。無知のお喋りは罪だ。
閑話休題。
2016年度の有効成分(WHO推奨もこれ)
A型株
A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09 ←2009年のいわゆる新型インフルエンザ
A/香港 /4801/2014(H3N2)←いわゆるA香港型
B型株
B/プーケット/3073/2013(山形系統)
B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)
※:Wikipediaによると、B型はこの2系統を摂取すれば、B型全てに対して有効とされるようだ。
昨年から4価ワクチンなので、単価も上がったし、注入タンパク質の量が増えたので注射後の張れも少し多くなっているらしい。
2005年のどっかの医師のブログで仕入れ値が1本1000円~2000円と言っている。
インフルエンザ予防接種
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執筆者:osakanamanbow