ソフトコンタクトレンズの洗浄・保存液を研究する。
水道水には微量ながらアカントアメーバが存在するので、ソフトコンタクトレンズは使用不可。
洗浄もすすぎも保存も使用不可とのこと。
ハードコンタクトは大丈夫なんだが。
なお、現在は煮沸消毒は廃れたようだ。現在は機械の販売がない。
まあ、柔らかいプラスティック系の素材を何回も煮沸消毒していたら劣化するだろうし、タンパク質も熱変性しちゃって不都合そうだ。
現在は、MPS、マルチ・パーパス・ソリューション。
洗浄も、すすぎも、消毒も、保存も、これ一つで出来るというものが主流のようだ。
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報道発表資料
平成21（2009）年12月16日
独立行政法人 国民生活センター
ソフトコンタクトレンズ用消毒剤のアカントアメーバに対する消毒性能
－使用実態調査も踏まえて－
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20091216_1.pdf
～抜粋～
日本コンタクトレンズ学会は、MPS によるレンズケアの注意点として、以下の5点を挙げている。
（日本コンタクトレンズ学会ホームページ（http://www.clgakkai.jp/）より）
●清潔な手でケアを行うこと
●こすり洗いを欠かさないこと
●レンズケースの手入れを行い、常に清潔に保つこと（ケア後の洗浄と定期的な交換）
●3ヶ月に1度の定期検査を受けること
●装着前にレンズをMPSですすぐこと
～抜粋～
これを実施しないとダメだよ、というお話。
それを前提として、
～抜粋～
①アカントアメーバの栄養体に対する8時間静置後の消毒効果を比較すると、過酸化水素タイプやポビドンヨードタイプと同程度の効果を示したのはMPS8銘柄のうち2銘柄（No.6、7）のみであった
No.6：レニューマルチプラス ボシュロム・ジャパン
有効成分：ポリヘキサニド（ダイメッド）1.1ppm含有
配合成分：緩衝剤、安定化剤、等張化剤、pH 調整剤、ポロキサミン、ハイドラネート
表示指定成分：ホウ酸、エデト酸ナトリウム
4時間
No.7：エピカコールド メニコン
有効成分：1mL中、塩酸ポリヘキサニド0.001mg含有
配合成分：界面活性剤、等張化剤、金属封鎖剤
表示指定成分：エデト酸塩、プロピレングリコール
4時間
～抜粋～
Wikipedia英語版を翻訳したものによると、
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ポリヘキサニド（ポリヘキサメチレンビグアニド、PHMB）は、消毒剤として使用されるポリマー（重合体）。
PHMBは緑膿菌、黄色ブドウ球菌（メチシリン耐性型、MRSA）、大腸菌、カンジダ・アルビカンス、アスペルギルス・ブラジリエ、バンコマイシン耐性腸球菌、クレブシエラニューモニエ（カルバペネム耐性腸内細菌）、に対して有効である。
PHMBを含む一部の製品は、術中灌流、術前術後の皮膚・粘膜の消毒、術後ドレッシング、創傷包帯、慢性創傷カテーテル挿入、スコピー、救急処置、表面消毒、リネンの消毒を含むが、これらに限定されない。
PHMB点眼剤は、アカントアメーバ角膜炎の影響を受けた眼の治療剤として使用されてきた。
～以上～
化学式も、(C8H17N5)nで、構造的にもそんなに活発な子ではない。つまり、安全性は高い。眼に入れても大丈夫なものだからね。
ただ、上の報告書はMPSの話をしているのだが、単純に考えたら……、
過酸化水素水タイプが一番安全かなと。
消毒力もMPSよりも遥かに強い。
おまけに、過酸化水素水自体はオキシドールだから、目に入れたら激痛ものだけど、分解したらただの水と酸素だから害がない。
ポピドンヨードという選択肢もあるが、あれ、ヨードアレルギーとかあるからな……。
ということで、過酸化水素系の対象製品は
日本アルコンの「エーオーセプト クリアケア」（中和は白金触媒。4時間以上。）
※この製品は元々チバビジョンの製品だが、チバビジョンは日本アルコンと合併した。
AMOジャパンの「コンセプトクイック」（中和は酵素カタラーゼ。10分以上。）
※AMOはアボット・メディカル・オプティクス。現在はジョンソン＆ジョンソンの子会社。
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上記製品と組み合わせて、それから、たまにはタンパク除去もしながら使っていくのがいいんじゃないかと考えた次第。
