03:休むに似たり

未承認の薬を使っていいんですか?→いいんです!ただし自己責任で。

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未承認の薬を使ってよいかよくないか。→法令で禁止されている薬(化学物質)は使ってはいけません。
→逆に、法令で禁止されていない化学物質を使うのは自由です。
薬事承認と健保適応の2つの問題。
まず基本的な考え方として、厚生労働省の役人は(多くが文系出身の)事務官なので病気の治療には携わっていない。中には医師の免許を持っている役人もいるが、基本的には事務手続きなどが仕事で、治療を行っていない。実際の治療に関する知識は現場で治療に携わっている医師より少ないことになっている。その知識の少ない「事務官」が知識の多い現場の「医師」に指示するのは不合理である。したがって、現場の医師は自分の知識に従って自由に薬を使って良い。(プロフェッショナル・フリーダム)
さて、プロフェッショナル・フリーダムによって医師が治療を行った結果、患者が死んでしまった。原因は使用した薬の副作用。誰が責任を取るのか? 誰が損害賠償金を支払うのか?
医師が自分の判断でその薬を使った結果なので「医師の責任」であり「医師が遺族に損害賠償金を支払う」ことになる。となると、医師もうかつに薬を使えなくなる。患者に薬を使うたびに「この薬は大丈夫だろうか?」とびくびくしてしまう。その薬がちゃんと効き目があり、安全かどうか実験を行って確認したいところです。しかし、患者の病気は多種多様ですから、使う薬の種類も沢山あります。一人の医師が自分が使う薬の効果や安全性をいちいち実験して調べるのは大変です。そして、日本中の医師の全てが、各人で自分の使う薬を実験して調べだしたら、その手間や実験に使う薬品、機材等は莫大な量になってしまいます。
そこで、厚生労働省がこれを肩代わりして、薬の効果や安全性などを調べ(実際には「事務官」には調べられないので、大学病院などに委託して調べる)、その薬に御墨付きを与えます。これが薬事の承認です。
薬事で承認された薬品は、厚生労働省が調べて「問題がない」という御墨付きを与えたものですから、その薬を使って患者に問題が生じた場合には厚生労働省が責任を取ります。万一の場合には厚生労働省が損害賠償金を患者に支払ってくれる、という安心感があるから、医師はその薬を安心して使えるわけです。
治験の時に副作用が発見され、副作用に注意して使いなさいという但し書きがあるのに、副作用に注意しなかったために障害が生じた場合には、医師の責任になります。
さて、健康保険ですが、保険の一種です。自動車の自賠責保険や、火災保険、損害保険などと考え方は同じです。
「皆でお金を出し合って貯めておき、万一の時にはそのお金を使う」というのが保険という仕組みです。
でも、保険金としてもらうお金の大部分は、他の皆が払ったお金です。みんなのお金ですから、その使い方はみんなのためになるようにきちんと決めておかなければいけません。
健康保険も同じです。みんなで出し合って貯めたお金です。使い道はきちんと決めておかなければいけません。
では薬事の承認が降りたばかりの新しい薬はどうしましょうか?
もしかするとその薬はある病気にかかっている人がみんな使うようになるかもしれません。だったら保険を適用すると皆が助かります。でももしかするとその薬が必要になる病気はほとんど罹らない病気かもしれません。あるいは罹ってもその薬が使えるような病状の人は少ないかもしれません。「じゃあ、保険は適用しないことにしておこうか、予算も限られていることだし。」ということになるかもしれません。
というわけで、その薬が本当に効き目が合って、安全な薬なのかどうかを、個々の医師に代わって厚生労働省が調べるのが薬事の承認で、これを健康「保険」という経済制度で使っていいことにするかどうか厚生労働省が決めるのが保険適用なのです。
ですから、薬事承認されていない薬は、各医師の責任の下に使うことになります。
この場合、たとえば人種的な差や食事習慣などによって薬の効き目や副作用に差があり、その結果重大な障害が生じた場合には、医師が損害賠償を支払わなければならなくなりますから、薬によっては医師が使用に慎重になったり、あるいは患者に対して、万一障害がおきても医師の責任を問わない、という念書を取ってから使用する、ということになったりします。
薬事承認のための治験の段階では、医者が患者から念書をとって、医者の損害賠償リスクを回避し、かつ、患者の治療費は医薬品メーカーが負担するということですね。
また、海外の未承認薬を治療目的で使いたい場合は、同じく、医者が患者から念書をとって、医者側の損害賠償リスクは回避するけど、治療費は医薬品会社が負担してくれるわけではないから、患者は高額のお金を払うということになると理解しました。

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