派遣業界で働く人間として今回の問題に一見解を。
派遣で契約満了あるいは契約打切は珍しいことではない。
ただ、その場合、派遣元(つまり直接の雇用関係を結んでいる会社)との雇用関係が問題となる。
そもそも派遣労働とは、労働者が派遣元企業と労働契約を結んだ上で、派遣先企業の管理下で働く雇用形態を指す。
元々この派遣労働は、労働者の権利保護のために禁止されていた。
しかし、規制緩和の波に乗り、企業側(派遣元、派遣先双方)の要望により、段々と緩められ、2004年3月の労働者派遣法の改正で、製造業でも派遣が解禁になった。
製造業派遣の場合、派遣期間の現在の限度は3年。
なぜ期限が設けられているかというと、この解禁が「建前上」紹介予定派遣(つまり、正社員へのつなぎとしての派遣)を前提としていたためだ。
この限度は、2004年改正法では最長1年だったのが、2007年3月改正で最長3年と規定される。
さて、2006年に起こったのが、いわゆる偽装請負問題。
ここで多くの製造業が、請負形態から派遣形態に切り替えた。
この時に切り替えられた派遣労働者が、2009年には3年の期間満了を迎える。
この労働者を続けて雇用するためには、3ヶ月のクーリングオフ期間(この企業に勤務しない期間)を設けるか、正社員(あるいはその他形態)として雇用するしかない。
もちろん厚生労働省は建前上、正社員として雇用するように通達を出している。
ところで、今の経済状況となり、どこかの人員を削減しなくてはならなくなった。
正社員や契約社員を解雇するのは難しい。
クビにするのは簡単だけど、裁判に持ち込まれると厄介極まりない。
だったら、期間社員や派遣社員を切ることになる。
問題は派遣元企業(つまり派遣労働者が所属する企業)だ。
大方この場合、派遣元企業との契約も「紹介する仕事がない」との理由で打ち切られることになる。
そもそも派遣元企業が潰れるケースもある。
派遣2009年問題
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執筆者:osakanamanbow