北神急行線と市営地下鉄の一体的運行について <神戸市長臨時会見 2019年(平成31年)3月29日>よりメモ
- 神戸市交通局が北神急行線に係る資産と契約の譲渡を受けることについて、阪急電鉄グループと基本合意を行った。
- 鉄道事業固定資産の簿価は約400億円。平成14年度(2002年)に、北神急行電鉄の資産の上下分離を行った際に神戸高速鉄道が保有した下物と、北神急行電鉄が保有する上物の両方で400億円の資産。
- この簿価400億円を神戸市交通局が198億円(税別)で譲渡を受ける。
- 債務は引き継がない。北神急行電鉄は阪急電鉄に対する債務があり、神戸高速鉄道は阪急電鉄と兵庫県と神戸市に対する債務があり、この債務が約650億円になるが、この債務は引き継がない。
- 一体的運行後の運賃は、消費税アップ分を含んで、谷上-三宮間280円を目指す。
- 鉄道事業法などの法律の手続が必要。市営地下鉄に対する神戸市の支援も必要。兵庫県の支援も必要。
- 実施時期は遅くとも来年2010年の10月1日までには実施したい。
質疑応答
- 債務については阪急電鉄からの説明があるだろう。
- 兵庫県と神戸市からの支援は、現在合計毎年2.7億ずつの支援を行っているが、これと同程度の支援を30年間出来れば、健全な一体的運行ができる。
- 谷上以北の神戸電鉄沿線については、駅前中心の再整備を進める必要がある。谷上、岡場、鈴蘭台、西鈴蘭台の再整備も進める。
- 譲渡額の200億円は、交通局が高速鉄道事業会計で措置する。20%は出資債で神戸市一般会計から出資する。残り80%は交通局が企業債を起こす。
神戸経済ニュース https://news.kobekeizai.jp/blog-entry-3539.html によると、
- 阪急電鉄によると、北神急行電鉄は解散の方向。従業員は阪急グループ内で配置転換し、「神戸市交通局の公務員に転じることはない」。
北神急行が神戸市営地下鉄と一体化 阪急が譲渡へ基本合意 <2019/03/29 13:40 神戸新聞NEXT>を編集
神戸市は2019/03/29、北神急行電鉄を、親会社の阪急電鉄から198億円で譲り受けることで基本合意したと発表した。約650億円に上る負債は引き継がない。遅くとも2020/10/01までの市営化を目指す。
北神急行電鉄は神戸市営地下鉄西神・山手線と相互乗り入れをしており、神戸市は事業譲渡による地下鉄との一体運用で、谷上~三宮間の運賃(540円)を現在のほぼ半額となる280円にしたい考え。運賃設定などは今後、関係機関と協議する。
谷上~新神戸(約7.5km)を8分で結ぶ北神急行電鉄はトンネル整備などで建設費が膨らみ、初乗り運賃が360円と割高なのが乗客が伸び悩む要因とされていた。神戸市と兵庫県が1999年度から運賃補助などで支えてきたが、新たな運賃軽減策として神戸市が事業譲渡を提案。2018年末に交渉が始まった。
神戸市によると、阪急電鉄から駅、車両、トンネルなど北神急行電鉄に関係する資産(簿価約400億円)を198億円で譲り受ける。神戸市と兵庫県が現在の運賃補助と同水準の支援を30年間続けた場合、「運賃を大幅に下げても健全な経営が維持できると判断した」(神戸市)という。
会見で神戸市長の久元喜造は「運賃引き下げを乗客数の増加に結びつけ、沿線の魅力を向上させたい」とした。
一方、基本合意を受け、阪急電鉄を傘下に置く阪急阪神HDは2019/03/29、2019年3月期に北神急行電鉄関連の売却損約190億円の減損損失を計上すると発表した。
# 「阪急電鉄」から譲渡されるのではなく、「阪急電鉄グループ」(つまり北神急行電鉄と神戸高速鉄道)から譲渡される。の間違い。
連結業績予想の修正に関するお知らせ
阪急阪神ホールディングス株式会社
平成31年3月29日
<前略>
(親会社株主に帰属する当期純利益)
神戸市から当社の連結子会社である阪急電鉄株式会社(以下「阪急電鉄」)に対して、北神急行線(新神戸駅~谷上駅)の運賃低減に向けた検討として、神戸市交通局での一体的運行(当社グループからの資産譲受)の可能性について協議を開始することの提案があり、阪急電鉄では、今回の提案はグループの重要な事業拠点である神戸三宮の活性化につながるものと考え、協議に応じてまいりました。
協議の結果、今般、平成32年度(2020年度)前半を目途に、当社グループは北神急行線に関連する鉄道資産を神戸市交通局へ譲渡する旨の基本合意に達しましたので、平成31年3月期第4四半期(平成31年1月1日~平成31年3月31日)において、当該鉄道資産について、約190億円の減損損失を計上することといたしました。
なお、上記減損損失に対する繰延税金資産のほか、阪急電鉄が既に計上済みの北神急行電鉄株式会社(当社の連結子会社)への貸付金に対する貸倒引当金に対して、繰延税金資産を計上することから、税金費用が減少し、親会社株主に帰属する当期純利益への影響については、大幅に軽減される見込みです。これに加えて、上記のとおり、営業利益・経常利益を上方修正したことから、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前回発表予想より修正はございません。
阪急阪神ホールディングス(株)(9042)2019年3月期 決算短信
北神急行線に係る鉄道資産の譲渡合意に伴う特別損失を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました
減損損失 +184億43百万円
税金費用 △128億37百万円
親会社株主に帰属する当期純利益△34億円