03:休むに似たり

いま、車庫にVWマークがない理由

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今回は日経ビジネスからのスクラップです。
いかにクルマの出来がよかろうとも、ユーザーのロイヤリティは“その他の要素” で、かくも簡単にひっくり返ってしまう

「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」
2010年2月19日(金)
いま私のガレージに、VWマークがない理由
第30回:フォルクスワーゲン ゴルフGTI【総括編】
 いやあ、面白かったですね。山崎氏のお話。“クルマのローカライズ”と一言で言っても、かくも奥深い。「日本人はこんな嗜好だからね、ココをこういうふうに改造しといてちょうだい」とメーカーにメールを送れば済む問題ではないのです。販売地域の綿密なマーケティングに加えて、ドイツ本国に対する粘り強い交渉力が必要になってくる。
 “7年連続輸入車車種別ナンバーワン”のタイトルに話が及んだ際、山崎氏が笑いながら、「そりゃ私のマーケティングが良いからで……」とおっしゃったのも、あながち冗談だけではないでしょう。豊富な実績に裏打ちされた自信があればこそ吐ける科白なのではありますまいか。その果実を享受できる我々日本のユーザーの、何と恵まれていることか。
 それにしてもゴルフは素晴らしいクルマです。初代からの大ファンである私は、最新Ⅵの“正常進化”ぶりに大いに感激したものでした。ステアリングを切れば切っただけ、曲がりたい方向にスパッと曲がる。未明の首都高で飛ばすときも、街中の交差点をゆっくりと曲がるときも、それぞれのシーンで”運転の楽しみ”を味わうことができる。
 およそ思いつく限りのクルマに関する“FUN”と言うものが、コンパクトなボディにみっちりと凝縮されている。ゴルフはそんなクルマです。長い期間を掛けて構築されてきたブランド力と技術、そしてもちろん優れた品質がそれを支えていることは、山崎氏の話からも充分にうかがえます。
 一見隙なしに見えるゴルフ。だからこそ、心配になることがあります。
 製品、ブランドともに輸入車の中で別格の地位を獲得してきたクルマが、いとも簡単に評価を覆して奈落の底へ落ちていった例を、まさにいま我々は目の当たりにしています。そう、米国におけるトヨタのプリウスです。
 米国内の論調に関しては、些か行き過ぎの感もありますが、私はその根源にNUMMI閉鎖のイチャモン……じゃなくて普天間の意趣返し……いやそれも違う……米国ユーザーがプリウスに寄せた「期待値の高さ」が有るのではないかと見ています。評価も期待も高かったからこそ(可愛さ余って憎さ百倍ってヤツですね)、それが裏切られたときの反動が大きくなるのはないか、と。
いま、車庫にVWマークがない理由
 私は長いことフォルクスワーゲンが好きでした。生まれて初めて買ったガイシャでもありますし、アメリカ人がトヨタ製品を信頼するのと同様、いやそれ以上にフォルクスワーゲンのクルマを愛おしく思っていた。
 自ら何台も保有してきたことは、前回までにお話しした通りです。しかし現在、拙宅のガレージにVWのバッジを付けたクルマは停まっていない(グループ傘下のクルマは2台ありますが)。
 その理由をこれから、お話ししましょう。
 あくまで自分自身の体験という、超近視眼的な話ではありますが、いかにクルマの出来がよかろうとも、ユーザーのロイヤリティは“その他の要素” で、かくも簡単にひっくり返ってしまう、という実例をご覧下さい。ついでに、買う側、売る側双方にとって、危機管理のケーススタディとしてお役に立てば望外の幸福です。
 ちなみに私は交際する女性や担当して頂く編集者からよく「バカ」とか「ロクデナシ」とか言われますが、決してウソツキではありません。ここからは非常に微妙な内容になるので、言葉を選んで慎重に書き進んでいきます。事実を正確にお伝えするため、いつもの文章よりリズムが悪くなるかもしれません。今回だけはどうかご容赦ください。
*   *   *
 今から6年前のこと。
 車検時期を迎えた愛車ニュービートルを、フォルクスワーゲンのディーラーに預けることになった。私は本業の仕事で台湾へ出張していたので、クルマは家内が子供を乗せて自らディーラーヘ運んで行った。入庫前のチェックを済ませ、家内と子供は自宅に帰る。クルマは予定通り数日後に車検を終えて帰ってきた。
 その日の夜、台北の林森北路(台湾へ行かれる方はご存じだろう。台湾一の歓楽街で、それはそれは楽しいところである)で飲んだくれていた私に家内から電話が入った。始めはチェック電話かと思い、無意味に焦ったものだ。
「ななな、何だ君か。決して遊んでいるワケじゃないぞ。接待でやむなくだな……」
「……ねえ。車検に入れる前にクルマをぶつけた?」
「何だクルマのことか……。いやなに。そんな覚えはないけど。どこがどうなっているの?」
「左のドアの下がボコっと凹んでいるの。お店の人に聞いたら、“初めから凹んでいましたよ”って言われてしまって……」
「う~ん。まあここで話していても仕方がないや。帰国したら俺がディーラーに行ってみるよ」
「お願いします」
 どれくらいのダメージかは知らないが、なに、大したことでは無いだろう。それよりも今大事なのはカラオケだ。私はマイクを握り“真夏の果実”の続きを歌い始めたのである(彼の地のカラオケは日本語ソフトが本当に充実しているのだ)。ああ、サラリーマンは辛いなぁ。こんなに遅くまで仕事しなくちゃいかんのだもんな。「夢のなか~へ連れぇて行ってぇ~」とくらぁ。
 台湾での仕事を無事に終え、帰宅して早速ガレージに停めてあるクルマを検証した。なるほど左のサイドシルに擦って凹んでしまった部分がある。左折する際、内輪差でガリッとやってしまったような形跡だ。私がブツけた記憶は勿論無いし、家内も絶対にブツけていないと言う。取り敢えずは車検に入れたディーラーにアポイントを取り訪問した。
 フロントで来意を告げると、店長の名刺を持つ男性が出てきた。
「先日こちらに車検をお願いしていたクルマなのですが、この部分が凹んでしまっていて。私も家内もブツけた記憶が無いものですから……こちらでお心当たりは無いかな、と思いまして」
 店長氏はクルマを一瞥するなり、
「ああ、このおクルマですね。入庫される前からブツけておられましたよ。私がお出迎えをしたのでよく覚えています」
「どういうことでしょう?」
「当日はキャンペーン期間中だったので、私が外に立ってお客様をお出迎えしていたのです。奥様は向こうの方向からやって来られて、私が誘導してこちらへ駐車して頂きました」
「その時は既にもうブツけていた、と」
「はい。ああ、奥様やっちゃいましたね、と。助手席から坊ちゃんがスケートボードを持って降りていらしたことを覚えています」
 当時小学生だった長男は、確かにスケボーにハマっていた。彼が出迎えた事は間違いないだろう。
「それは、記載ミスです」
「店長さんはそのとき家内に、“やっちゃいましたね”、と告げられたのですか?」
「いえ、言ってはいません。思っただけです」
「ははぁ……。するとその段階ではまだ“ブツけて入庫”の合意は取れていないわけですね」
「その段階では、まだ。はい」
「入庫するときにはボディのチェックをすると思うのですが、こちらのお店ではそれはなさらないのですか?」
「もちろん行います。双方立ち合いのもとでボディチェックを行い、お客様に確認のサインを頂きます」
「そのときの書類の控えを見せてくださいますか」
「分かりました」
 店長氏は書類を取りに事務所に入り、私はショールームの椅子に案内された。恭しくコーヒーが供される。しかし店長氏、なかなかこちらへ戻って来ない。
 私がコーヒーを飲み切る頃になって、漸く書類を携えて戻ってきた。
「こちらですね。奥様がサインをしておられます」
 入庫チェックシートには間違いなく家内の筆跡でサインがしてある。書類にはボディの上面図が記されていて、問題箇所にチェックを入れるようになっている。しかし件の場所にはチェックがされていない。
「チェックがされていませんね。小さなホイールのガリ傷やトランク部分の擦り傷まで書かれているのに、こんなに凹んでいる傷が記されていないのは何故ですか」
「……それは……記載ミスです。私も工場長も傷があったことは確認していますんで……」
 急に歯切れが悪くなってきた。
「確認していたのなら、なぜ書類に書かないのです?」
「ですからそれは記載ミスと……」
「そんな話が通用すると思いますか?」
「……そう言われましても……」
 ここで「自分の過失をディーラーに責任転嫁しようとしている」と疑われる方もおられよう。確かに引き渡し時点での写真撮影とか、有力な証言とかの “確たる証拠”が私の側にあるわけではない。大きな傷が付くような接触をしても、気づかないままでいる可能性も、ゼロではないだろう。
 ただしこの店長氏がわかっていないのは、その点は、ディーラー側も同じということだ。
 「誰も嘘をつかないという前提で話を進めよう、それを担保するために、引き渡し時に双方立ち合いのもとで車両を確認し、お互い書類にサインしよう」という、言わば性善説が今のところの現場のルール。だから通常は車検に出す前にいちいち愛車の写真など撮らないのである。あらゆる交渉の場で、記載ミスを主張したら、その時点で自分の負けを認めたのも同然だ。
 この方にはそれがどうしてもお分かり頂けない。このまま話していても埒が明かないので、ディーラーの本社へ出向くことにしよう。その意を店長氏に告げると、「クレームは各店舗で処理することになっていますから、同じコトですよ」と言われてしまった。
 そちら側の理論を無理矢理押し付けられても困る。私は日を改めてディーラー本社を訪れた。
 ガラス張りの立派なフロントで来意を告げる。たっぷりと待たされた挙げ句に、「このようなことを担当する者がいませんので…」と冷たいお言葉が返ってきた。会社の仕組みとして担当窓口が無いのであれば、トップに訴えるしかあるまい。「ご担当の方がいないならば、社長にお目に掛かれませんか」と聞くと、「社長はここへ来ませんので」と返された。
 では私はどうしたら良いのか、さあウチに言われましてもねぇ、と不毛な問答をしていると、やおら従業員一同がサっと立ち上がり深々と頭を下げた。社長“ご出社の儀”である。にこやかに笑顔を振りまきながら店内に歩み入る社長。さすがは稀代のセールスウーマン。日経ビジネスを始め、多くの雑誌でお見かけする顔。見事な押し出しの大貫禄である。
「あの方が社長ではないのですか?」
「そうですけど」
「ここへは来ないのでは?」
「……来ましたねぇ……」
 私も会社員のはしくれだ。ご多忙な社長にアポ無しで合わせろと本気で無茶を言うつもりは無い。しかし、その場を誤魔化して取り繕おうとする対応をあからさまに見せつけられると、これはみなさま、かなりシビれますよ。結局「担当者から連絡させます」となり、私は凹んだままの心とニュービートルで店を後にした。
 その日の夜。
 携帯に連絡してきたのは、「社長に乞われて元の会社から引き抜かれました」と宣う初老の紳士である。セールスマンでも管理部門でもない。つまりは“クレーム担当係”というところだろう。この段階で私は目出度く“クレーマー認定”と相成った。ご指名ありがとうございます。彼はなぜだかマクドナルドを待ち合わせ場所に指定し、私は言われるままにそちらに赴いた。
「お話はディーラーの方から聞いています。このたびはどうもとんだことで」
「私のクルマはどうなるのでしょう?」
「その前に事実関係の確認をさせていただきます」
 紳士然としているが、有無を言わさず自分のペースで話を進める辺りは、相当な手練れである。
「おクルマをお預かりする前にブツけていなかったと証明できるような証拠はございますか」
「“証拠”ですか?」
「つまりですね、無傷の状態の写真を撮っているとか、入庫直前に無傷の状態を見たと証言される第三者の証人が居られるとか……」
 繰り返しになるが、そんな証拠はあるはずがない。だからこそ入庫時に双方立ち会いのもと現車確認をして、書類を交わすのではないか。初老の紳士は “証拠など無い”ことを百も承知の上で、私に聞いているのだ。
「写真も証人も無いですね」
「すると、無傷であると証明できる証拠が何も無いわけですね。う~ん、難しいなぁ……そうなると」
「何が難しいのですか?」
「いえね、何とか私共の方でお力になれるようにしたいのですが、こうなるとちょっと難しいかなぁ……と」
 私を挑発してキレさせる作戦なのだろうか? しかし私は怒りのブースト圧が上がれば上がるほど、口調が柔らかになり表情もニコヤカになる妙なクセがあるのだ。
「入庫時のチェックシートをご覧になりましたか?」
「ええ、見ました。店の方からは問題箇所にうっかりチェックをし忘れていた、と聞いています」
「他の小さな傷は全て記入してあり、あなたの言う“問題箇所”だけが漏れています。店長も工場長も担当のメカニックも、プロであるみなさまが全員お揃いで “うっかり忘れた”と?」
「そこなんですよねぇ……ご理解頂くのに、そこが難しい所です」
「ええ、まったく理解に苦しみます」
 同じ話が無限ループで繰り返される。“キレさせ作戦”の次は“根負け作戦”か。
「そちらで修理をして頂くことは出来ないのですか?」
「板金塗装は外部の業者を使うのです。ウチの中の工場でできれば良いのですが……」
 ああ、もう、面倒くさいや。早くクロージングしてしまおう。
「外部でも内部でも構いませんが、責任を持ってそちらで修理して下さい」
「ご無理をおっしゃいます」
「大丈夫。そちらで直せるようにして差し上げますよ」
「は……? 差し上げます、とは……?」
「楽しみに待っていて下さい。間違いなくそちらで直すことになりますから。ではこれで」
 私がそう言って席を立とうとすると、初老のクレーム担当氏は慌ててそれを制止した。
「ちょ、ちょっと待って下さい。そんなことは出来ないですよ。具体的にどうなさるおつもりですか?」
 ジャンケンをする前に、「僕はパーです」と手の内を晒すバカなどいるものか。もちろん、ここで放つべきはさらなるブラフの一手である。
「お楽しみに。明日にはお分かりになるでしょうから」
 ここでようやく彼は「社に持ち帰って検討します」と言い始めた。
 ここまでのやりとりは彼の成績の範囲内、つまり自分の裁量でクレーマーを排除した、ということにしたかったのではないか(この部分は私の推測に過ぎない。自動車販売に詳しい方がいらしたら、ぜひコメント欄に書き込んで下さい)。思ったよりも相手がゴネやがったので、仕方がないから会社に持ち帰る、そういうことではなかったのか。
 とまれ、翌日の午前中には社内での調整がついたらしく、首尾良く(あまり首尾良くでもないか……)先方の負担で接触部分が修理されることと相成った。ハンドリングは成り行き上、先のディーラーである。
 この後、代車を出す出さないでもうひとモメあった。最終的には応じてもらえたのだが、車内にコンビニ袋が散乱し、床に転がる空き缶の中には吸い殻が押し込んである薄汚いクルマがやってきた。おまけにタイヤはスリックタイヤのように丸坊主の整備不良車で、雨の日の首都高速でいきなり車体が横を向いた。何日か経って帰ってきた私のニュービートル(禁煙車)には、吸い殻入りの空き缶がキッチリ添えられていて、オドメーターは70kmも増えていた。車検証はリアシートに投げ出してあり、なぜか床にはトンカチの柄が転がっていた。もしかしたら、これは何かのメッセージなのだろうか? “死ねバカこのクレーマーめ”とかそういう意味か……?
 これで私はフォルクスワーゲンがイッキにイヤになってしまった。無論クルマに罪はない。いたいけな私のニュービートルは、売りに出される前日に「お願いだから捨てないで」といつまでもガレージで泣いていた。
 ごめんよハニー。だが君をこれ以上愛せない。
 以来私はフォルクスワーゲンを所有していない。
 フォルクスワーゲン、トヨタ。いや自動車メーカーに限らず他の商品やサービスに於いても、高い評価が故にトラブルが発生してしまうことがある。 “ユーザー側の期待値”がそれだけ高くなるからだ。
 ディーラー側も、「整備中に我々がトラブルを起こすことなどあり得ない」という思い込みがあったのではないか。あるいは発生したミスを報告できないような、ブランド故の“見えないプレッシャー”は無かっただろうか。
 もちろん私は、これをもってフォルクスワーゲンを断罪する!とか、そんな大それたことを考えてはいない。不幸にして、極めて希な“外れクジ”を引いてしまっただけなのだろう。こんなことが日常的に繰り返されていたら、7年連続輸入車ナンバーワンなんて、さすがにありえないはずだ。
 と、理屈では理解できる。
 だがクルマを買うヤマグチ個人としての感情はまた別の問題だ。
 だから、私はその後ずっとフォルクスワーゲンを買わないでいる。
 世間でどんなに褒め称えられているクルマであっても、自分の所に来た一台が(販売や修理を含めて)ハズレであれば、ユーザーは容赦も躊躇も無く離れていく。殆どのユーザーは“自分の一台”しか判断材料が無いからだ。誰でも嫌な思いをするのはイヤだもの。
 …といいつつ、実は、今回のGTIの試乗と山崎氏のインタビューで相当心が揺れている。GTIは間違いなく名車だ。そして先日発表された、よりホットバージョンの“R”はさらに洗練されているのだろう。
 そのことだけを美しく書いておけばいいのだろうが(どう書くべきかで編集Y氏とさんざん揉めにもめて、掲載が1日遅れたのです。お待ち頂いていた皆様、ごめんなさい)、今回は敢えて「フェルディナントが買えない理由」を書いた。私が本当に思っていることを吐きださなければ、それは読者諸兄に対する “欺瞞”、と思うからだ。そもそも皆様も読みたくないでしょ? ヨイショだけの記事なんて。
*   *   *
 これでも結構気を付けて書いたつもりなのだが、やはり重苦しくなってしまった。
 最後まで読んで下さった方、辛気くさい話で申し訳ない。
 次回は明るく楽しく原点回帰。乗って楽しく見て美しいスポーツカーを採り上げます!ご期待下さい!
【論題】ディーラーさんとの「お付き合い」、うまくやってます?
 編集Yです。こんにちは。
 いや、今回は難航しました。これじゃ真意が伝わらない、これじゃ言いたいことがわからない、客はどこまで言う権利があるんだ、だったらメディアはどこまで言うべきなんだ、と、何度ヤマグチさんとやりあったことでしょう。読後、いろいろご意見おありのことと思います。コメント欄で謹んで拝聴させて頂きます。
 第一読者の私には、ひとりひとり、個人の欲望の対象としての、高額商品であるクルマを、商売として扱うことの難しさが感じられました。他人事として、トラブルのいちケースとして考える(この場合、売る側の立場に立ちやすいですよね、とくに我々男性会社員は)場合と、自分の問題として考えた場合では、立ち上がる感情がかなり違うと思います。「もう許してやれよ、ただし、俺にそんなマネしたら絶対怒るけど」というのが、わりと正直なところではないでしょうか。
 ディーラーさんとお客さんとの関係は、売りきりの商品と違う、意外に大きな問題を含んでいると思います。マンションなどもそうですが、高額でずっと付き合いが続く買い物は、お客の側からすると、どうしても人の要素が大きい。ワンオブゼムではなくて、ワンオンワンでお付き合いをして欲しい。売る側にすれば、そうしたいのは山々だけど、なにぶんこちらは独りでして…となる。
 いっそ徹底的に一期一会の消費財を目指し、(実際にもう売っていますが)家電量販店で全メーカー一斉販売、のほうが、すっきりするのではないか。ある程度趣味嗜好が合うグループが、個人的な付き合いを持つお店(と店員さん)を、「共有地として使う」ような感覚(「共有地の悲劇」を起こさずに)で付き合っていく形に、二極化していくような気がします。

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