情報には遅延性がある。新聞やテレビで情報が載る頃には既に遅い(腐っている)情報であることが多い。
新型インフルエンザにしても、いま感染が広がっているわけではない。先週広がった感染を後追いしているだけだ。
今回の経緯を追ってみる。
05/04 神戸高校と関西大倉高校の剣道部が試合
05/08 神戸高校と兵庫高校で定期戦
05/11 神戸高校3年男子生徒が悪寒を訴える
05/12 発熱37.4℃で近医を受診、簡易検査でA型陽性、神戸市環境保健研究所に検体提出、リレンザ服用開始、学校を欠席
05/12 神戸高校2年女子生徒が発熱38℃
05/13 2年女子生徒が近医を受診、簡易検査でA型陽性
05/15 神戸高校2年男子生徒が近医を受診、簡易検査でA型陽性
05/15 3年男子生徒、神戸市のPCR検査で新型H1陽性
05/16 01時すぎ 神戸市が会見
05/16 01:14 2年男子生徒が発熱外来入院
05/16 03:15 3年男子生徒が発熱外来入院
05/16 06:35 2年男子生徒がPCR検査で陽性
05/16 正午前 厚生労働省が3年の男子生徒の新型インフルエンザ感染確認を発表
つまり、05/04の段階で既にウイルスが蔓延している。
海外に行って感染し、潜伏期の期間に水際検査を潜り抜け、自宅で発症。しかし、水際検査を潜り抜けたことで「俺様は私様は新型ではない」「公的機関のお墨付き」という訳のわからない安心感を持って堂々と行動し、周りにウイルスを巻き散らす。
そして友達なり子供なり仲間なりが新型インフルを発症して隔離入院、という図式が考えうる。
なお、帰国時の水際検査は、その時に発症している患者を国内に入れないことで時間稼ぎを図る検査であり、検査にパスしたから安全ということでは全くない。
その時点でバレルほどに発症していないということである。
つまり、あからさまに日本刀を振り回している人間を削除するシステムであり、ナイフを隠し持っている人間は削除できない。(←誤読するんじゃないぞ)
本題。
情報には遅延性がある。
ウイルスは既に蔓延済みだ。
患者数の増加にしても、検体を検査した結果、陽性だった。患者は既に回復した。というケースがほとんど。
店や施設の営業自粛はちゃんちゃらおかしい。休校になって暇で暇でしょうがない高校生の外出先が減る効果しかない。特に公的施設はサボらずにしっかり営業しろ。営業することで社会に安心感を与える効果もある。
# ジャンカラは高校生の入店を遠慮いただいているそうだ。ホントかどうかは知らないが。
↑実際に行ってみたら本当だった。ガキはいなかった。
患者数が増えていくことに騒ぎ立てるのは大変愚かである。
むしろ、騒ぎ立てるのは地域性が拡大した時だろう。
関西以外の他地域での感染が確定した時が、次の段階へのステップとなる。
だから、患者数の増加についてはただ単に淡々と伝えるだけでよい。
むしろ東京への感染拡大がポイントだ。
今回はどうもここまでの展開では弱毒性らしい。
スペインかぜの時も最初は弱毒性だった。それが強毒性に変化した。
この秋~冬にH1N1の強毒性の流行、あるいはH5N1など他タイプの流行があるものと考えて、用意周到に対策するのが肝心だ。
そのためには、今回のが弱毒性だったからと言って安心するのではなく、一種の訓練だと考えて行動するようにしている。
水と食料の備蓄、レトルトお粥やポカリスエットなどの病弱時に欲しがりそうなものの準備、などなど。
何が足りていて、何が足りなくて、何が大げさなのか。
各人と社会の想像力と行動力と検証力が問われている。
新型インフルエンザ:情報の遅延性、患者数の拡大は驚くに値しない、今回は訓練 だ。
投稿日:2009-05-18 更新日:
執筆者:osakanamanbow