どっかで声高に言われたんだよね。
「カリはアルカリ性」だから健康に有害。
はいはいそうだね。そーいう言葉使おうとするなら、高校化学をもう1回勉強しやがれ。
高校レベルの勉強は生活のあらゆる部分の基礎知識なので、知ってて当然、知らなきゃ恥ずかしい知識。
完璧にとは言わないが、もう一度見直すくらいのことはしてみろ。
えーと。
カリはアルカリ性。はいはい。まで戻るけど……、あなたの言う「カリ」とは何? 実はいっぱいあるのよ。
以下、Wikipediaの記述を参考に編集。
単体:金属カリウム(K)
あまりに反応性が高くて自然には存在できないから、多分これじゃないよね。
イオン化傾向「貸そうかなまあ当てにするなひどすぎる借金金」の一番初めがカリウム。
銀白色で、ナイフでも切れるくらい軟らかい金属。
空気中では見る見るうちに酸化されて灰色の酸化カリウムになるし、そもそも空気中では発火反応することが多い。
水の中なんかに入れたら、激しく発火反応して、水素ガスを発生する。爆発の危険あり。なので、灯油等の中で保存する。
↑まあこれは論外として。
酸化物:酸化カリウム(K2O)
これまた反応性が高い。
水に入れると高熱を発して溶けて、水酸化カリウム水溶液になって、強いアルカリ性を示す。空気中の水にも反応する。
岩石や肥料の成分表示として「カリウム」とある場合はK2Oを指すが、実際にそういう形で存在する訳じゃない。ほかの物質をこれに換算しているだけ。
水酸化物:水酸化カリウム(KOH)
昔懐かし水酸化ナトリウムNaOHとほぼ同じ性質。え?忘れてた?じゃあ、さよーなら。
まあ普通に存在しうる白色結晶。強塩基。
蛋白質を溶かすため、劇物指定。
CO2を吸収する。
水によく溶けて強いアルカリ性を示す。
潮解性(空気中で水分を吸収して勝手に溶けてべとべとになる)を示す。したがって保存には要注意。
炭酸塩:炭酸カリウム(K2CO3)
まあ普通に存在しうる白色固体。強塩基。水によく溶けて強いアルカリ性を示す。木炭や草木灰から得られる。
硝酸塩:硝酸カリウム(KNO3、硝石)
普通に存在しうる白色固体。水によく溶けるが中性を示す。天然には硝石やグアノ(鳥などの糞尿の固まり)として産出する。
硫酸塩:硫酸カリウム(K2SO4)
普通に存在しうる。水によく溶けるが中性を示す。(元素としての)カリウムと硫黄を提供することから、化学肥料として広く使わる。
燐酸塩:燐酸二水素カリウムor燐酸一カリウム(KH2PO4)
普通に存在しうる。水によく溶けて酸性(pH4.4~4.9)を示す。肥料、食品添加物。
燐酸塩:燐酸水素二カリウムor燐酸二カリウム(K2HPO4)
普通に存在しうる。水によく溶けてアルカリ性(pH8.7~9.3)を示す。肥料、食品添加物。
燐酸塩:燐酸三カリウム(K3PO4)
普通に存在しうる。水によく溶けて強いアルカリ性(pH11.5~12.5)を示す。肥料、食品添加物として広く使われる。
※燐酸は実は高校化学でもほとんど突っ込まない。この複雑さは3段階電離をする3価の酸であることによる。
塩化物:塩化カリウム(KCl)
普通に存在しうる。肥料としても使われるが、塩分(Cl)が問題となる。水によく溶けるが中性。
その他、過マンガン酸カリウム(KMnO4)、シアン化カリウム(KCN、青酸カリ)、塩素酸カリウム(KClO3)、臭化カリウム(KBr)、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化カリウム、ヘキサフルオロケイ酸カリウム、ヨウ化カリウム(KI)……。もういい。いっぱいあるの。
で、……あなたの言う「カリ」って何? それは「アルカリ性」?